ぶどうの基本知識と初心者向けに栽培の流れを解説 | ホーマー農場

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ぶどうの基本知識と初心者向けに栽培の流れを解説

#ぶどう栽培

ぶどうについて皆さまはどのくらいご存じですか?

ぶどうを食べるとき、贈り物にするとき、自分で栽培してみるとき、「ぶどうとはどんなフルーツなんだろう?」と思ったことがあるのではないでしょうか。

本記事では、ぶどうの基本から栽培の流れまでをわかりやすくご紹介いたします。

ぶどうの種類や育て方のコツ、適した場所の選び方まで押さえれば、より一層ぶどうをお楽しみいただけるでしょう。

ぶどうの基本知識

ぶどうといえば、ジュースにワイン、そしてそのまま頬張る楽しさも格別でございますね。

しかし、その前にちょっとだけ知っておきたいのが、ぶどうの種類や生育に適した環境のこと。これを知ることで、より一層ぶどうをお楽しみいただけるのではないでしょうか。

ぶどうの種類やストーリーを学び、ぜひぶどうのひとときをご堪能くださいませ。

ぶどうの種類

ぶどうには大きく分けてヨーロッパ種(欧州系)アメリカ種(欧米系)がございます。

ヨーロッパ種は、糖度や香りが良好で、特に上品なマスカット香があるのが特徴でとなっております。食味には文句なしの系統ではありますが、日本の夏の高温多湿に弱く、病害にかかりやすいという弱点もある種でもございますね。

アメリカ種は、元々あまり糖度が高くない種でしたが品種改良の結果、ヨーロッパ種と遜色ない糖度になった種でございます。フォクシー香と呼ばれる独特の香りで、巨峰などがこの香りを有しております。多雨な北米が原産のため、日本の気候に耐えることのできる病害強い系統でございます。

ぶどうの歴史

少々歴史のお話をいたしますと、明治以降、日本では海外から新品種を導入する動きが盛んになりました。

様々な品種が輸入されましたが、ヨーロッパ種は軒並み病害などに侵され、結果的にアメリカ種やアメリカ種との雑種が広まりました

その後、寄生虫や病害の対策が成功し、品種改良による耐病性向上もあってヨーロッパ種やその雑種も日本各地で栽培されるようになったのでございます。

余談ですが、ヨーロッパ種は明治初期からワイン用として注目されておりました。どうしても栽培できなかったため生食に舵を切ったそうですが、もし当時栽培が成功していれば、ワインはもっと日本文化に根差したポピュラーなお酒になっていたかもしれませんね。

ぶどうの特徴

世界中で栽培されているぶどうですが、当然ながら適した環境というものがございます。

気温、湿度、土質などなど、様々な要因がぶどうの生育に影響を与えるのです。

ぶどうをお買い上げになるとき、産地の気候や風土を調べ、環境に合わせた工夫を凝らす生産者に想いを馳せながら選ぶのも一つの楽しみ方でございますね。

気温

ぶどうは、基本的に四季がはっきりした温帯気候を好むといわれております。

冬は気温が約7℃以下の状態を1000時間程度経なければならず、夏は20℃~25℃で一日の寒暖差の大きい気候が適しており、丁度よい温帯あたりの気候に適したフルーツなのでございます。

また、GDDという指標を用いると、2000℃~2200℃が適した温度となり、ワインの名産地なども多くあてはまる気候となっておりますね。

湿度

栽培において、湿度は非常に重要な要素でございます。高温多湿の環境では病害が蔓延し、収量や品質を大きく損なうのです。

ぶどうは本来、乾燥した地域にも自生するほど耐乾性が強く、管理する上では地中海性気候のような「夏に少雨、冬に多雨」といった環境を好みます

夏は病害に弱い葉や果実が成長する時期でございますので、病原菌が繁殖しにくい低湿度の地域が適しているのでございます。

土性

土性とは、土壌に含まれる大小様々な粒子の割合がもたらす土の性質でございます。

ぶどうは水はけがよい土壌に適した作物なので、砂壌土での栽培が理想的です。

砂地に近い感触で保肥力がやや弱いため、適した樹勢にコントロールしやすいという点も管理する上で重要なポイントになります。

土性粘土の割合保水力透水性保肥力
砂土12.5%以下不良不良
砂壌土12.5~25%やや不良やや高やや不良
壌土25~37.5%
埴壌土37.5~50%やや高やや不良やや高
埴土50%以上不良

ぶどうは幅広い土壌で栽培できますが、より育ちやすい土に近づけるよう、生産者は有機物などを投入して土壌改良をおこなっております。

当農場はシロクローバーなどの緑肥やコーヒー粕を用いて粘土質な土壌を改良しようと試みておりますね

農家から直接お買い上げの際は、土壌に対してどのようなアプローチをしているのか、ぜひ注目してみてください。

ぶどうの栽培の流れ

ぶどうの栽培について、皆さまはどのような作業風景を想像されるでしょうか。

ここからは、ホーマー農場の無加温ハウス栽培の流れをご紹介いたします。

我々ぶどう農家がどのような作業をしているのか、お手に取ったぶどうがどのように成長してきたのかを、ぜひこちらで学びを深めてくださいませ。

春の作業

春には、発芽期展葉期開花期がございます。

3月下旬〜4月上旬がスタートラインとなり、ぶどうの枝からふくらんだ芽が顔を出し始めます。

4月中旬〜下旬には、新芽がぐんぐん伸び、やわらかい若葉が開いてまいります。葉の展開とともに、枝の誘引芽欠き作業が本格化し、枝のバランスを整えることで、将来の実つきを左右する重要な時期です。

5月中旬〜下旬になると、ついにぶどうは小さな花を咲かせます。満開までは数日と短いため、様子を見ながら花穂整形種を抜くためのジベレリン処理を行います

夏の作業

夏には結実期、果粒軟化期、収穫期がございます。

6月には、小さなぶどうの実が房をつくって姿を現します。このタイミングで摘粒(てきりゅう)と呼ばれる作業が始まります。実を間引くことで、形の良い房に整ってゆくのです。

7月中旬〜8月上旬になると。果実がふっくらとし始め、品種によっては色づきも進みます。水管理や病害虫の防除を徹底し、糖度の乗りや果皮の状態を見ながら最終調整をしていきます。

8月中旬からは、ついに収穫が始まります。直売所や市場への出荷作業もピークとなり、お客様の「おいしい!」を想像しながら、一房一房丁寧に収穫するのでございます。

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秋~冬の作業

秋にもまだまだ収穫期が続き、10月初旬ごろまで販売は続きます。

販売が終わると、息つく間もなく冬の準備や堆肥施用が始まり、翌年を見据えた作業をおこなうのです。

葉はまだ光合成しており、自然に落ちるまでは剪定しません。来年発芽するための養分を蓄えてもらうのでございますね。

11月に入ると、ぶどうは黄色に紅葉しながら葉を落とします。この時期からは来年のための剪定や土壌管理を行い、木の状態を見ながら次シーズンへの土台を作ってゆきます

当農場のある新潟は世界有数の豪雪地域でございますので、素早く剪定して、雪による枝折れやぶどう棚の倒壊を防がねばなりません。

こうして一年が過ぎ、また翌年の発芽期から生育のサイクルが始まるのでございますね。

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ぶどうをより楽しむために

ぶどうは、種類や歴史、栽培環境など多くの知識が詰まった奥深い果物です。

本記事では、ヨーロッパ種とアメリカ種の違いや、適した気候・土壌の条件、さらには実際の栽培の流れまでをご紹介しました。

ぶどうの一房には、生産者の工夫や自然との対話、そして長い育成の工程が込められています。今後、ぶどうを手に取る際には、その背景にある物語にも興味を持っていただければ幸いでございます。

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